いちばん心にかけてきたのは

昭和63年

 今日まで私がいちばん心にかけてきたのは、いかに正確に速やかにお伝えするかであります。

 親鸞聖人は今から700年前のお方ですから、いろいろなことが今日と違います。

 そこで今日の人たちに親鸞聖人の教えを、聖人の使われたお言葉のままでは、分かってもらえません。今日の言葉に変えなければなりません。

 その変える時に、親鸞聖人のみ教えまで変えてしまったら大変なのです。

 それで私は、現代の皆さんに親鸞聖人のみ教えを正確にお伝えするにはどうすればよいか、日夜悩んでいるのは、ただそのことであります。

 間違いだらけの私です。

 親鸞聖人でさえ、お手紙の中に「我あやまてり、我あやまてり」とおっしゃっています。

 私など、間違いだらけです。

 だから私は「親鸞聖人はこう教えておられる。こう書いておられる。もし私の言っていることに間違いがあれば、おっしゃっていただきたい」と申し上げているのです。

「高森、おまえは親鸞聖人のみ教えだと言っているが、それは間違いだ。それでは皆を迷わすだけだ」と、おっしゃるならば、どう言えばよいのか教えていただきたい。間違えたら大変。仲人腹切り仕事と言います。

 この世の男女1組を結婚させるのにも、仲人が苦労する。うまくいかなければ、腹切ってお詫びしなければならない。そういう責任があることを言ったのでしょう。しかし、それどころではないのです。

 もし親鸞聖人のみ教えを間違えたら、万死に値すると私は覚悟している。

 非難するならば、していただいてけっこう、間違っていたら直ちに正します。